タフターの料理

タフターの食事は、 人々の生活によって大きく2つのパターンに別れる。
ひとつは定住して農作業や商業をする人々のもので、もう一つがピーシャとともに各地の村々を回る行商隊のものである。

定住者の食事

典型的な村の農家の食事は、日の出とともにヒユとキビの粥と魚を中心とした朝食をとり、正午を過ぎたころにキビのお菓子を食べて夕暮れ時に家に戻り、 蒸したヒユと魚の骨でとったダシを使いヒユの葉や花穂をいれた汁物を夕食とするというものである。
標高の高い地域や河川から遠い地域ではここに亜麻仁が追えられたり魚ではなく羊の乳から作ったチーズが食されていたりする。

都市部に住むものは、伝統的に朝は魚ではなくチーズやヨーグルトを食べることが多い(かつて各家庭から廃棄された魚の骨が多くなりすぎて都市問題に 発展したことがあるという事情が知られている)。また、昼食にはヒユの葉や茎の炒め物と魚をキビと共に食べ、夜はヒユとキビの粥で簡単にすませる。

キビは、粥にする以外にも挽いて粉にし、つなぎに小麦粉を加えて面にしたり水を加えて練り団子にしたりと様々な調理法が知られている。
ヒユは蒸したものを発酵させて酒にすることも多い。飲酒人口は全体の約7割ほどであるが、大半は夕食の後で家族や仲間と語らいながら飲む。

また、昼食の肉およびパンはタフターの伝統的な文化ではなく連邦が積極的に接触してきたことで輸入された文化である。
灌漑による小麦栽培が活発になり、都市部に小麦粉が供給されるとともに都市近郊では豚や牛の飼育が行われはじめたことで食卓に肉やパンが上るようになった。

行商隊の食事

行商隊は長期間にわたって荒涼とした高原・山頂部を移動せねばならないため、携行する食糧は第一に保存が効くものでなければならない。
ヒユを蒸したあと水分を減らして作ったおこわと羊の乳から作ったチーズを中心とし、これにビタミン源として干しグミを加えたものが典型的な食事とされる。
現在の食事もここから大きく変わることは少ないが、包装や保存の技術が進歩したことで野菜や果物などのレパートリーは増えている。