タフターの生物

見出しは特に指定がない場合タフタット語で記す。

*がついているものは語源不明

動物

ツォッフール (coxurl)

和名 アカフナ

火山性の温泉の流れ込む河川や湖に生息する体長8Ufta(約25cm)ほどの暗い赤色の魚。餌となるプランクトンが温泉の成分を栄養にするため、 本種も温泉の流れ込む水域を生息地としていると言われる。秋口に7万個から10万個の卵を産むが、この卵が鮮やかな赤色であるためcot(赤い)+xurl(卵) > coxurl と呼ばれるようになったと考えられている。

臭みのない淡泊な味の白身魚で、粥の具材や煮つけなど様々な形で用いられるが、タフターでは塩焼きがもっとも好まれる。

フェンキュツ (fenkhyc)*

和名 アオアシライチョウ

体長1.5fta(約50cm)前後。標高12Sfta(約3800m)前後となる山頂に生息し、気温の下がる冬場には標高8Sfta(約2000m)付近となるタフターまで下りてくる。 脚の鮮やかな青色が特徴的で、羽毛が夏場は褐色、雪が積もる季節には真っ白なものに換わる。植物全般を食物とし、特に柔らかい草を好む。

タフターの民からは神聖視されるが、飢饉の際には神々からの贈り物として食べられる。肉の味は脂がのっていて美味だが、タフターニたちは罪悪感から食後に集まって祈りを捧げる。

ピーシャ (pisharl)

和名 オオグアナコ

ピーシャーとも。成長すると体長は12fta(約4m)前後、高さが6fta(約2m)程になる。

高山という植物や水の乏しい環境でも生きられるように適応をとげた種であり、おとなしく力が強い。そのため古来より役畜として親しまれ、タフターにおいては行商隊、 ひいては輸送のシンボルとなっている。役畜として荷物や人を運ばせるほか、毛や皮を加工して屋根や衣服に加工したり、肉を取ったりもされる。

毛は白いものと黒いもの、茶色いものの3系統がよく知られており、交雑で斑になった個体も見られる。

植物

ジャットパール (zhatparl)*

和名 タカネアマ

高山性の一年草で、生長しきると6fta(約2m)ほどになる。雪融けの頃に芽を出し、夏の終わりごろに伸びた茎の先に赤い花を3つから5つほど付け、茶色の実がなる。

実を圧搾して油をとったり粉にして薬にしたりするほか、茎を水につけて踏むことでしなやかで強靭な繊維がとれる。成長の度合いで繊維の質は変化し、若いほど柔らかく繊細に、 成長が進むほど硬く丈夫になる。一般的に肌ざわりと強度の兼ね合いから、4fta(約1.2m)ほどの大きさのものが好まれている。

ユスティール (ystirl)

和名 クロキビ

秋に黄色い実を付ける一年草で、茎が黒ずむのが特徴。生長すると草丈およそ3fta(約1m)前後となって穂がつくと垂れ下がり、実が充分に栄養を蓄えると弾けて実を飛ばす。

現在タフターで栽培されているものは実が弾けないように品種改良されたもので、フォトヴィールと一緒に粥にして主食とされる。また甘味があり、 甘味が多く含まれる品種は挽いて粉にした状態で売られ、菓子にして食べられる。

古くからタフターニたちに親しまれてきた植物で、タフタット語での名称はyt(黒い)+tirl(母)の転じたものとされる。

フォトヴィール (fotvirl)

和名 キツネノケイトウ

日当たりの良い場所に生える一年性植物で、秋に鮮やかなキツネ色の花穂を付ける。この花穂がニワトリのトサカに見え、キツネ色であることから和名がつけられた。 寒さに弱く、タフターでは標高7Sfta(約2200m)を境にそれより低い部分に生育する。

種子をはじめとして葉・花穂・茎が食用になり、タフターで最も重宝される作物の一つである。花穂の色はフォトコヴォール、 つまり「太陽の色」とよばれるタフターの民たちのアイデンティティ・カラーであり、色素を有機溶媒で抽出して染色に利用される。

フォトヴィールとはfot(太陽の)+virl(父)であり、ユスティールと並んで古代からタフターニたちと共にあった植物である。

ガヴォトキル (gavotkirl)

和名 ヤマスナグミ

イェテザル山脈とその東側に広く分布する灌木。鋭く長い棘と平たく細長い葉、黄色がかった赤色の実が特徴。

乾燥と塩分に耐性をもち根に共生した細菌による窒素固定で栄養の乏しい地域にも生育するが、成長が遅く陽樹であるため他の樹木がない場所を好む。

実にはビタミンA・C・Eが豊富に含まれ、特に1か月から2か月にわたって砂漠や山頂部を移動し続ける行商隊の人々には欠かせない食料となっている。 しかし果実は渋みがつよいため、普通は干したり砂糖漬けにして食される。風味付けのため酒に漬け込むことも。

それ以外