タフタット語

目次

音素

母音

a/a/e/e/~/ɛ/i/i/
o/o/~/ɒ/u/u/~/ɯ/y/y/

2つのグループに分かれての対立があり、タフタット語では伝統的に上表の段で母音を分ける。
上段に並んだ非円唇母音a, e, iを白母音、下段の円唇母音o, u, yを黒母音と呼ぶ。

子音

歯茎そり舌硬口蓋軟口蓋口蓋垂
鼻音mn
破裂音p bt dc ɟk g
摩擦音f vs zʂ ʐx
震え音rʀ
接近音ɹj
破擦音t͡s d͡z

文字

正書法

〇〇文字を用いる。ラテン文字転写は以下の通り。

/p/p/b/b/f/f/v/v
/s/s/z/z/ʂ/sh/ʐ/zh
/t/t/d/d/t͡s/c/ts/d͡z/ds
/k/k/g/g/c/kh/ɟ/gh
/r/r/ɹ/rl/x/x/ʀ/rh
/m/m/n/n/j/j

リパーシェ転写

文法

形と活用について

動詞や形容詞には終止・連言・接続の3つの形が存在し、動詞では人称接辞のあとに、形容詞では-tのあとに接辞(母音)を加えることで示される。接辞を加えることを活用と称し、活用によって加えられる接辞のことを活用辞と呼ぶ。

終止形
いわゆる言い切りの形である。一番多くの助辞がつく。接辞は-a、もしくは-o。

連言形
別の単語を修飾するときに用いられる形。この形につく助辞は少ない。接辞は-eか-u。

接続形
「~ば」「~が」「~ながら」などの意味を持つ助辞がつくときに用いる形。並列する時にも出現する。接辞は-i/-y。

動詞

辞書形で動詞接辞-shが語尾についている。対格(後述)を目的語に取る語を他動詞、とらないものを自動詞と分類する。

人称

動詞には話し手からの距離・位置づけなどによって3種類の接辞がつく。
この距離・位置づけのことを人称、人称に応じてつけられる接辞を人称辞と呼ぶ。

rhosh
タフタット語のコピュラはrhosh /ʀoʂ/。存在動詞としてもコピュラとしてもはたらく。
: barlnan taftarls rhoshno. 私はタフターにいる。

形容詞

辞書形で形容詞接辞-tが語尾についている。

名詞だけでなく動詞や文全体をも修飾することができる。タフタット語に存在した格・数の一致は、turl(目)など一部の語に対しては複数語尾の-inを伴って修飾が行われるなどのわずかな痕跡を残してほぼ消滅している。この複数語尾はANで修飾する連言形でのみ現れ、rhoshを用いる終止形などでは現れない。

例 cot (赤い)
norls cotuin turlnin rhoshma. 彼は赤い目を持っている。
turlnin norlt rhoshma coto. 彼の目は赤い。

名詞

辞書形で名詞接辞-rlが語尾についている。

対格、主格、処格、与格、属格の5つの形が存在し、名詞の後ろに接辞をつけて示す。ここでも動詞や形容詞と同様に接辞を加えることを活用と称し、活用によって加えられる接辞のことを活用辞と呼ぶ。
単複を厳密に区別する言語ではないが、複数を明示したい場合は-inを活用辞のあとに加える。これに伴って、活用辞が単数と複数で異なったものになる場合がある。

対格
対象を示す。多くの他動詞で目的語になる。

主格
いわゆるNominativeである。動作主を表すのに使うほか、一般的な呼びかけのときにも用いられる。

処格
場所や手段、所有主などを示す。

与格
向きや目標を示したり、一部の動詞で目的語として取られたりする。

属格
名詞に後置して所有者を表すのに使うほか、一部の動詞で目的語として取られることがある。固有名詞の場合はただの修飾を示すこともある。

活用

動詞・形容詞

人称には単数複数の区別はない。

白母音のなかで活用する白活用と黒母音のなかで活用する黒活用の2系統が存在する。
どの動詞・形容詞がどの活用を行うかは個別に覚える必要がある。

人称人称辞活用辞
1人称-n終止-a-o
2人称-d連言-e-u
3人称-m接続-i-y

名詞

複数の活用辞は通常、複数接辞の-inを含めた形で示される。

単数複数
対格-fin
主格-nan-nin
処格-s-sin
与格-gum-gin
属格-t-tin

修飾について

属格修飾

属格は後置修飾である。基本的に所有関係にあるものを示すが、活用する固有名詞などでは単純な限定修飾を表す。

連言修飾

連言形をはじめとする前置修飾を連言修飾と呼ぶ。外来語などはタフタット語の活用に合わないことがあり、この場合形を変えず前置することで修飾するがこれも連言修飾と呼ばれる。

助辞

助辞は、動詞および形容詞について過去・可能・否定・命令といった意味をその語句に付加するまとまりであり、タフタット語の大きな特徴の一つであると言える。言語学者の間ではタカン語の助動詞にも例えられることがあるが、タカン語と違い相(Aspect)を表すものがないという点で差がある。

固有名の扱い

人名など

一定の規則に従ってタフタット語の音素を用いて音写される。音写後の語尾の子音によって活用辞がつくかどうかが決まり、つくものは通常の活用をする。つかないものは不活用。(wip: 何について何につかないかの表)

地名など

タフタット語では民族を表すときは基本的にnirl(人)を伴うため、多くの場合民族名などが民族の居住地域を示すことになる。

活用辞のつく例 vefise (ヴェフィス)
mat nirlnin vefiset xokhtirlgum joshma. このヴェフィス人たちはホーキュティールへ行く。

活用辞のつかない例 takan (タカン)
takan nirlnan airls xeshmo. タカン人はアイルに住む。